【童綜合病院】米国人教師、トラックに轢かれ両脚負傷 | 膝下に重度の開放骨折

昨年4月、台湾で英語教師として働いていた米国人のウィリアムさん（59歳）が、オートバイを運転中にトラックと衝突する重大な事故に遭った。両脚がトラックに轢かれ、膝から下にかけて深刻な開放骨折を負った。大量出血のため、緊急搬送されたのは台湾中部にある童綜合病院（Tungs’ Hospital）。そこで、整形外科の鄭宇傑（Cheng Yu-Chieh）医師による緊急手術が行われ、左脚は膝上での切断を余儀なくされた。一方で、形成外科の蔡穎瀚（Tsai Ying-Han）医師が顕微鏡下での皮弁移植再建手術を実施し、右脚の救出に成功した。

ウィリアムさんは、10時間を超える高度な手術の末、右脚を失わずに済んだ。その後、約1か月の集中治療室（ICU）での入院を経て、一般病棟でさらに1か月過ごした後、退院。リハビリのため、義肢装着専門の重維義肢センターに移り、義足の適応訓練を受けた。3か月後には歩行器を使って短距離の歩行が可能となり、6か月後には安定して長距離を歩くことができるまで回復。今年1月末、ついに故郷のアメリカへ帰国を果たした。

「事故直後は、絶望と落胆しかありませんでした。しかし、医師の皆さんが最後まで諦めず、治療に尽力してくれたおかげで、再び歩けるようになりました」とウィリアムさんは感謝の気持ちを述べた。特に、蔡医師をはじめとする童綜合病院の医療チーム、そして義肢センターのリハビリ専門家たちのサポートが、自身の回復に大きく貢献したと振り返る。

蔡医師によると、ウィリアムさんは両脚の粉砕骨折と大量出血により極めて危険な状態だった。左脚は切断を余儀なくされたものの、右脚は顕微鏡下での再建手術により救うことができた。術後の経過も順調で、度重なる清創処置を経て、最終的に歩行可能な状態まで回復したという。「もし両脚ともに切断していたら、独立して歩くことは極めて困難だったでしょう。医療チームの協力体制に加え、ウィリアムさん自身の台湾の医療への信頼、そして強い意志が、回復を大きく後押ししました」と蔡医師は語った。

台湾の高度な医療技術と患者の強い意志が生んだこの回復劇は、医療の持つ可能性を改めて示すものとなった。