彼女はそれでも彼と結婚する道を選びました。 夫婦となった二人は、健康な子供を授かるために医療機関を探し始めました。 しかし、日本での受精卵着床前検査(PGT)は非常に複雑な手順と厳格な審査が必要であり、手間と時間がかかります。このご夫婦は慶應義塾大学付属病院(末岡浩教授先生)からの推薦で台北祈新産婦人科での生殖医療と受精卵着床前検査について知り、すぐに台湾での治療を決意しました。 2018年4月、日本の医師と台北祈新産婦人科との協力により体外受精(IVF治療)を開始し、2019年に遺伝子検査を受けた正常な胚を移植しました。 そして2020年10月に健康な男の子が誕生しました。 2年間の懸命な努力の末、ついに願いが叶い、幸せの果実が誕生しました。
「台湾で認可されているPGT技術はとても成熟しています。近隣地域と比較して台湾のPGT技術も大きな進歩を遂げており、世界の最前線にあります。これが私と妻が海を越えて台湾でチャレンジしようと思った理由の1つです。」 上記のように述べたマカオのご夫婦は人工受精での不妊治療を5年以上も続けていましたが、治療のために台湾に来ました。彼らはマカオで治療を受けており、そのリフレッシュ期間中に自然妊娠していることに気づき喜びましたが、残念ながら赤ちゃんは染色体異常の問題を抱えていました。 その後、彼らは人生で最も過酷な決断・・・中絶の道を選ばなければなりませんでした。 その後、台湾での医療情報を見つけ、台湾そして私達「祈新産婦人科」のPGT(着床前遺伝子検査)技術を信頼できると感じ、マカオから海を渡り台湾まで来ました。そして彼らの苦労が報われ、待望の子供(双子:男の子と女の子)を授かりました。 困難な旅は最後に実りました。このご夫婦は感謝と喜びの気持ちを、自分たちと同じように子供を授かりたいと願い、努力している夫婦にメッセージとして残しています。「あなた方が確固たる信念と明確な目標持ち、さらに不断の努力と忍耐を続ける限り、成功への道を歩むことを私たちは信じています。」
フィリピン人医師の夫婦のもとに生まれた男の赤ちゃんは、サラセミア(地中海性貧血)という疾患を持っていました。サラセミアの患者は体内に酸素を運ぶためのアルファグロブリンを生成できません。一般的にこの病気の赤ちゃんは、母親の子宮内または出生直後に重度の貧血と低酸素症のために死亡しますが、この子は奇跡的に助かりました。 しかし、この男の子は2~3週間毎に輸血を受ける必要がありました。彼はこの疾患によるフィリピン国で初めての生存者で、世界でも非常に数少ない例の1つです。この夫婦ははるばる海を渡って祈新産婦人科で生殖医療と受精卵の染色体検査、着床前診断を受けました。そしてPGT-M技術のスクリーニングの後、彼らは臍帯血と幹細胞移植技術を使って男の子を救うドナーとなることができる、健康でHLAに準拠した妹を産みました。 妹はいわゆるレスキューベイビーとなり、兄に新たな希望をもたらしました。
ミャンマー北部辺境地域の山地から来た中国系の女の子・濮双婷ちゃん(5歳)は、生まれてすぐに先天性の舌血管腫にかかりました。この病変のため、年齢を重ねるに連れ、舌全体がすでに正常な体積の3倍に成長していました。日常生活でも睡眠時でも、血管腫でいっぱいの舌を知らず知らずに伸ばしていました。奇形である巨大な舌は見た目にも、そして食事と会話の機能にも深刻な影響を及ぼしていました。いつも自分の歯で噛んで傷つけてしまうため、口の中が大量に出血し、緊急で輸血を行って対処しなければなりませんでした。こうして彼女は長期間にわたり栄養不良と貧血となり、普通に通学できなくなり、更に家には膨大な医療費の負担がのしかかってきました。何度も家の財産を売り払ってお金を借り、医者に見てもらっていたのです。複雑でいつ命が奪われるか分からないこんな疾患を治療するため、ご両親は去年、タイのバンコク医学センターに女の子を連れて行き、治療を依頼しました。しかし血管腫が成長する病状が深刻なため、手術でこれを切除できるという医師は最後まで現れませんでした。 2014年8月、台湾路竹会の国際医療組織がミャンマー・ラーショーにボランティア診療に行き、この希少疾患の患者様のことを知りました。医療団が台湾に帰国してから、各方面の努力が実り、双婷ちゃんはお母様とおば様に付き添われて、2015年5月下旬に空路台湾を訪れ三総診療科の病室に入院しました。当院では口腔顎顔面外科主任・李暁屏が治療を行いました。MRI撮影検査により主に右側舌部と口腔底を占める血管腫の病変が全長約10センチであることを確認し、両側舌部と口腔底に異常に太くなった血管が見つかりました。5月21日に血管撮影検査を行って、両側舌動脈血管塞栓術を行いました。そして術後の画像追跡により脳局所血管の梗塞が観察できました。それはつまり脳卒中の兆候が現れていたのです。ただし、女の子の体には神経学的反応でのはっきりとした異常はありませんでした。 舌部は1次治療を行ってから、体積と血管の脈動が低下傾向にありました。ただし女の子は間歇性頭痛と舌部の虚血性の痛みを主訴としていました。6月4日に口腔顎顔面外科チームが、放射線科、麻酔科、小児外科、小児神経内科、耳鼻咽喉科、リハビリ科、形成外科などの医師、及び病室担当看護師、薬剤師、栄養士、ソーシャルワーカー、国際医療センターなどの部門と共同で医療ケア共同会議を開きました。ここでは、関連する診療科の提案と医療チームによる提携を整合し、一つにまとめました。6月8日から血管腫切除手術と局所皮弁再建手術を行い、術後には傷口を癒合して回復させました。双婷ちゃんはようやく愛くるしい笑顔を見せ、食事と会話を正常に行う機能を回復したのです。 医療・看護チームの全員が心を一つにして医療ケアを行った結果、双婷ちゃんはすでに全快・退院してミャンマーに帰国しています。双婷ちゃんとご家族は路竹会、国防部、外交部それぞれからの支援に大変感謝しています。特に、当院の口腔顎顔面外科主任李暁屏がいてこそ、この難易度が高く複雑な手術と術後リハビリが無事に終えられたのです。生まれつき奇形な巨大舌を持っていた子どもは、全く面識がなかった各界の方々から助けを受けて、ついに新たな人生を取り戻し、健常者の生活に戻れたのです。こうして台湾のいたるところ温もりが溢れ、愛の心に国境がないことが示されました!
およそ5年前、フィリピン人の病理学教授John Dennisさんは腹部に膨満感を感じ、更に腹部を撫でるとしこりが感じ取れました。現地の医師からは肝臓に巨大な血管腫(最大で約20センチ)ができていると診断されました。フィリピン人医師はこの病状から判断するに、手術では切除できず、肝移植を行わなければならないと考えました。しかしながら、John Dennisさんは肝移植を望みませんでした。そのためこの5年もの間、控えめな治療を受けてきました。その後、腹痛が出始めたので、積極的にさまざまな国の医師から意見を求めるようにしました。最後に、台湾からの学生が三軍総医院の一般外科医謝宗保が30センチを超える巨大血管腫にかかった患者の切除手術に成功した経験があると推薦してくれました。そこでJohn Dennisさんは三総国際医療センターの支援のもとで、一縷の望みを託して海を越えて台湾で受診したのです。 Johnさんは2015年5月3日に入院し、一連の詳細な検査を受けました。切除後に残った肝臓の量で生命維持に十分かが綿密に算出されてから、5月15日に肝腫瘍切除手術を受けました。術後の回復は良好で、5月25日に退院しました。 一般外科医謝宗保は「Prof. Johnの肝血管腫切除手術が無事に終わり大変喜ばしいです。私自身には血管腫切除手術を行った経験があります。過去の腫瘍は最大で30センチにもなっていたので、今回の手術結果は楽観的ですよと事前にお話ししました。そして腫瘍切除手術自体の最大の試練は、手術過程での『出血』の問題でした。三総医療チームが力を合わせて努力するなかで、John Dennisさんの手術では出血量は約2,000C.C.あまりで、制御できる範囲内でした。手術はかなり成功裏に終わりました」と語りました。 John Dennisさんは自ら出席し自分の口で経験を語り、そして感性豊かに、「Maybe he is from Buddha(彼は仏陀の生まれ変わりだ)!」と言いました。彼は特に医師謝宗保の高度な医術に敬服しました。医師謝宗保は特に手術過程で辛抱強く説明して、コミュニケーションを取ったことで、医療・看護スタッフから信頼されるようになったのです。こうして彼は心を落ち着け、平常心で手術・治療を受けて、生まれ変わる手助けが受けられたのです。これについて彼は三総に心から感謝の意を示しました。